Naruki Oshima solo show 'Tableau / Bibémus : with Cezanne' 大島成己個展

Naruki Oshima solo show "Tableau / Bibémus : with Cezanne" 大島成己個展


When?

Start time: Friday 12:00 (19 January)
End time: Saturday 19:00 (17 February)
Music

About

大島成己の新作個展開催についてお知らせします。
Oshima's solo show will be held in Tokyo from 19th January.

■オープニングレセプション | Reception
日時 | date:1/19 (金 | Fri.) 2018, 19:30-20:30
会場 | venue:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku

■トークイベント | Talk event(*in Japanese)
日時 | date:1/19 (金 | Fri.) 2018, 18:30-19:30
会場 | venue:Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku
登壇者 | speakers:大島 成己 × 鈴木 理策(写真家)
Naruki Oshima × Risaku Suzuki(photographer)
※事前申込制、参加費:無料  
件名「トークイベント参加」、本文に、参加人数、お名前、電話番号をご明記のうえ、event@ycassociates.co.jpまでメールでお申し込みください。

http://www.ycassociates.co.jp/jp/information/naruki-oshima_ycasolo2018/

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<アーティストステートメント | Artist statement>
*English version is coming up soon.

セザンヌと/感覚の写真
大島成己

 写真の一般的な在り方は、一つのパースペクティブにおいて対象世界を縮減し、記号化する。私の仕事はそのようなあり方に抗い、固定化したパースペクティブを壊乱させるところから始まる。例えば、建物のガラスファサードの反射を被写体にした写真イメージをレイヤーに切り分けて空間を錯綜させたり、クローズアップされた数百枚の写真を一枚に統合して、遠近の距離感を混在したりなどが挙げられる。最近作は後者の手法によっているが、それは風景の色々なところに焦点を合わせて視線を<集中>化したり、逆にピントがぼかして視線を<拡散>化したりと、集中と拡散が混在する無数のショットによって不安定な風景を構成している。そしてその不安定さにおいて被写体の意味文脈は後退し、色彩性、触覚性が感覚的に動き始めるニュートラルな世界を現そうとしている。

 こうした世界の有り様を写真において探ってきたわけだが、実は常にセザンヌの作品が横にあった。彼の作品における、一元的なパースペクティブではない多視点で捉えられることで起こる空間の<歪み>のようなものを写真でやり直すことができないかとずっと考えてきた。今回の個展では、こうした問題意識を表明するためにセザンヌを敢えて取り上げ、彼が後年よく描いていた、南仏エクサンプロバンスのビベミュにある石切場(Carrières de Bibémus)とその周辺を撮影し、制作している。ここはかつて採石場だったが、セザンヌがモチーフとした頃には既に使われていなかったようだ。街の中心から車で数十分程度離れたところにあり、ここから有名なサント・ヴィクトワール山を臨むことができる。彼のここでの作品は、直線的にカットされた岩と周辺の鬱蒼と生い茂る緑の木々とのコントラストが印象的で、それはコラージュの切り貼りのような違和感をもたらし、空間の<歪み>をより一層強めているのではないだろうか。視線の集中と拡散、そして多視点に関連付けられた風景のコラージュによって石切場のシリーズは彼の作品の中で最も私の興味を惹いている。

 セザンヌのこうした捉え方は私の偏った解釈かもしれないが、誤解、誤読の展開の可能性を信じながら、今回の個展ではその捉え方からもたらされる空間の<歪み>を写真においてどのように実現できるかが中心的になる。つまり、それは、対象を一元化し記号化してしまう一般的な写真のあり方を、セザンヌのように物を捉える実感のもとで再組織化しようとするものである。そこでは自身の仕事が「感覚の写真」へと向かうことを探ることとなっていく。